皆良い思い出あるなぁ。
うちは母親の得意なおかずがナスを炒めてあんかけにしたやつだったんだけど
確かに美味しいんだけど弁当のおかずにされるのは恥ずかしくて嫌だったんだ。
見た目がどうもね、良くなくてさ。
でも嫌だとは言えず週に3・4回は食べてた。
成人して間もない頃に母が死に、まだその死の実感が湧かないうちに上京して、
食費浮かそうと思って弁当生活始めたんだけど、
どうしてもあのナスが食べたくてさ、アレがないと物足りないんだよね。
でも作れないんだよね、おんなじように。
そん時ふと「あ、おかんに訊いたらええんやん」と思ったんだ。
で、やっと実感したんだよね、母はもういないんだ、訊けないんだ、って事。
味の違うナス弁当に詰めながら顔パンパンに腫れるまで泣いた。
仕事の昼休み、食べる時にもまた泣いてしまって、他の人を困らせた。
上京して10年、ようやく母の味に近づいてきたけど弁当のおかずには
その日以来一度もしてない。
弁当にナス炒めは私にとっては切ないメニューだから。